ビタミンA
ビタミンAとは、主に動物性食品に含まれ、皮膚・粘膜・目の健康、動物の成長に関わるあぶらに溶ける(脂溶性)ビタミンです。
1930年代以降に視覚にレチノールが関係することがわかり、網膜という意味の「レチナ」が語源となって名付けられました。
緑黄色野菜に含まれるカロテノイドは、動物体内でビタミンAに変換することがいわれており、プロビタミンAともよばれます。
ビタミンAの種類
ビタミンAには、レチノール・レチナール・レチノイン酸の3種類があります。
視覚に働くのはレチナール、がんに働くのはレチノイン酸です。
ビタミンAの吸収
ビタミンAはどのように吸収されるのでしょう。
みなさんが食べたビタミンAを含む食べ物は、まず胃で分解されます。その後、ビタミンAはあぶらと一緒に小腸上皮細胞で吸収されます。
ビタミンA吸収とタンパク質
吸収されたビタミンAはタンパク質(レチノール結合タンパク質:RBP)とくっつき、そこにタンパク質のふた(トランスサイレチン)がかぶさって、血液にのって肝臓や他の場所まで厳重に運ばれ、いざというときに備えて貯められます。
せっかく摂ったビタミンAを体中に運び届けるために、十分なタンパク質を摂りましょう。
ビタミンAの働き
ビタミンAには、以下のような働きがあります。
働き | 不足するとおきやすい症状 |
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粘膜を守る(がんの予防) |
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骨や皮膚のつくりかえに役立つ |
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視力のもとになる |
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肝臓機能の正常化 |
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IgA抗体をつくる |
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風邪予防の方法 ~粘膜とビタミンA~
風邪の予防法。やっかいな風邪を予防する方法として粘膜強化が有効です。
鼻や口、のどは外の世界とつながっているため、チリやほこり、ウイルスなどからからだを守らなければなりません。
そこで、のどの粘膜はほうきのような毛(線毛)で覆われ、1秒間に40~60回というすごいスピードでパタパタ動いて異物を追い払おうとしています。そしてその表面を粘液が覆っています。その粘液の材料がタンパク質とビタミンAです。
免疫を高めるビタミンCとともに、敵の浸入から身を守るためのタンパク質とビタミンAは必須の材料です。
ビタミンAの臨床応用への期待
ビタミンAは、以下の臨床応用も期待されています。
- ニキビ、アトピー性皮膚炎、乾癬など
- 皮膚の美容
- 増殖性疾患への治療応用
(アテローム性動脈硬化症、肝硬変、慢性関節リウマチなど) - 貧血の改善
- 花粉症
- 悪性腫瘍への応用など
ビタミンAを多く含む食品(1食当たり使用量と含有量)
ビタミンAは、動物性食品(レバー、牛乳、バター、チーズ、卵黄など)に多く含まれています。
食品 | 鶏レバー | うなぎ | バター |
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1食当たり 使用量 |
100g | 蒲焼1/2尾分 | 大さじ1杯分 |
含有量 | 14000μgRE (≒46667 IU) |
1200μgRE (≒4000 IU) |
61μgRE (≒203 IU) |
もしかしてビタミンA不足?
肌のカサカサや眼の乾燥は、空気の乾燥やパソコンだけが原因ではないかもしれません。ビタミンAが不足すると意外な症状が出ます。ぜひご自身の状態をチェックしてみてください。
肌が乾燥する | 眼が乾燥する(ドライアイ) | ||
肌がガサガサする | ピロリ菌に感染している | ||
イボやウオノメができやすい | 風邪を引きやすい | ||
しわが気になる | 夜盲症が気になる | ||
ニキビや吹き出物ができやすい | がん家系である | ||
アトピー性皮膚炎が気になる | 婦人科のトラブルがある (子宮内膜症・子宮筋腫) |
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鼻の中が乾燥する |