アトピー性皮膚炎
糖質制限の食事と栄養素によるアトピー性皮膚炎の治療法。オーソモレキュラー療法のアトピー性皮膚炎へのアプローチでは、詳細な血液検査の結果からアトピー性皮膚炎特有の症状を引き起こすような異常を探し出し、個々人に合った最適な栄養素と糖質制限による食事でアプローチを行います。アトピー性皮膚炎でお悩みの方、通院しているが一向に良くならない、詳細な血液データからその原因を解明したい、そのような方はぜひ一度ご相談下さい。新しい治療法をご提案いたします。
1.アトピー性皮膚炎とは(一般的解釈)
アトピー性皮膚炎とは、アレルギー疾患のひとつです。厚生労働省による平成20年患者調査によれば、アトピー性皮膚炎患者数は38万4千人となっています。
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)ですが、その根本には皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリアー機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。慢性的ではありますが、適切な治療をきちんと受ければ、いずれ治ったと同然の状態になることが期待されます。
アトピー性皮膚炎で最も問題となるのは、頑固なかゆみです。アトピー性皮膚炎の主な症状は、かゆみを伴う湿疹が繰り返し出現するほか、皮膚の乾燥が起こります。また、魚鱗癬・気道アトピー、網膜剥離などの合併症が発症することもあります。
アトピー性皮膚炎の定義(概念)は、「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。」となっています。アトピー素因とは、(1)家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれ、あるいは複数の疾患)、または(2)IgE抗体を産生しやすい素因をいいます。
【参考・引用】
図、文章)社団法人日本皮膚科学会
2.一般のアトピー性皮膚炎の診断・治療法
1994 年に策定された日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」(2008 年追加改定)に基づき、
(1)そう痒、(2)特徴的皮疹と分布、(3)慢性・反復性経過
の3基本項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断します。
そのほかは急性あるいは慢性の湿疹とし、年齢や経過を参考にして診断します。診断の参考項目としては、家族歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎。アトピー性皮膚炎)、合併症(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎)、毛孔一致性丘疹による鳥肌様皮膚 、血清IgE値の上昇 などがあります1)。
一般的な治療方法としては、ステロイドなどの外用薬を用いた薬物療法、生活改善(患部の清潔、生活のリズムを保つなどの生活指導)、アレルゲン除去などの環境整備などが行われます2)。
【参考・引用】
1)「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」:社団法人日本皮膚科学会
2)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(日本皮膚科学会ガイドライン2009)
3.オーソモレキュラー療法のアトピー性皮膚炎治療へのアプローチ
良質なタンパク質と脂質を中心とした糖質制限による食事と栄養素によるアトピー性皮膚炎の治療法。
アトピー性皮膚炎の方は、消化管粘膜も弱く、精製された糖質の摂取で血糖が乱高下することが多いので、基本的に糖質制限の食事が重要です。オーソモレキュラー療法では、詳細な血液検査に基づいて個々人に最適な栄養素を投与し、食事を改善することでアトピー性皮膚炎治療へのアプローチを行います。
一般的にアトピーの活動性を示すと言われているのがIgE抗体です。それに加え、日本では一般的ではありませんが、IgG抗体やIgA抗体検査という項目もあります。遅発性のIgGやIgAが関与するアレルギーは、食べてすぐに症状がでるものではなく、症状も特異的なものではないので、普通に食事をしていても分からないことがほとんどです。
IgGやIgAの検査は、アメリカへ郵送する特殊な検査のため、費用がかかります。そのため、初診時に行う検査項目には入りませんが、アトピー性皮膚炎の場合、通常の栄養状態の検査に加えて、これらのフードアレルギー検査を加えることの意義も大きいものと考えます。
また、オーソモレキュラー療法におけるアトピー性皮膚炎の治療に必要不可欠な栄養素は、亜鉛、ビタミンAです。
亜鉛不足によって、意欲の低下(うつ傾向)やフリーラジカル除去の低下、インスリン分泌の低下による低血糖症をはじめとする血糖調節障害などが生じます。
しかし亜鉛の最も大切な働きは、1つの細胞から新しい細胞をつくる細胞分裂のときに必須であるということです。アトピー性皮膚炎の患者さまは、皮膚が厚くカサカサして表面がフケのようになることが多く、活発に皮膚の細胞が細胞分裂して新しい良い皮膚を作っていかなくてはならない状態です。このとき、亜鉛は必須の栄養素になります。
また、身体を動かす為には関節を曲げ伸ばしします。それに伴い皮膚も伸びたり縮んだりします。この皮膚の弾力性などは、皮下組織のコラーゲンなども大きく作用するのですが、アトピー性皮膚炎の場合には、いちばん表面にある皮膚の上皮の機能が低下してしまいます。弾力がなくなり、カサカサしたりジメッとしたりするのも上皮の機能低下によるものです。
オーソモレキュラー療法では、この上皮機能の改善にビタミンAを必ず選択します。そしてビタミンAの働きを引き出すために必要となる栄養素が亜鉛です。
とかく過剰投与の危険性などが指摘される二つの栄養素ですが、検査データを評価しながら行えば全く問題はありません。
一方、精神症状のトラブルの治療を目的に栄養療法をされる患者さんの多くは、皮膚のトラブルを併せて持たれていることがとても多くあります。この場合、栄養療法を行うことで、精神症状の改善と前後して皮膚症状が改善されることがほとんどです。
またアトピー性皮膚炎の患者さんが困る症状にかゆみがあります。これは、皮下の継続する炎症による症状です。このかゆみなど局所にとどまる炎症は、通常、その部位で炎症を沈静化するメカニズムを持っています。そしてこのメカニズムが破綻するといつまでも皮膚の同じところのかゆみが続いてしまうことになります。この局所の炎症を抑えるためには、食べ物の脂質のバランスを考えて食べることが必要になります。私達が何気なく食べている食事からは、オメガ6系と呼ばれる脂肪酸を多く摂ることになります。ところが局所の炎症を速やかに改善させるためには、オメガ3系と呼ばれる必須脂肪酸のバランスを高くしなくてはなりません。
乳児のアトピーについてはこんなことがいえます。生後2~3ヶ月は赤ちゃんの体内で最も亜鉛の貯蔵量が減少するときです。そのため、生後2~3ヶ月の赤ちゃんは亜鉛欠乏性の皮膚症状がとても出やすい状態になります。その皮膚症状があたかもアトピー性皮膚炎と良く似ているのです。赤ちゃんのアトピーは亜鉛不足も視野に入れておくとよいでしょう。
また、成人のアトピー性皮膚炎は、ステロイドの使用期間が長いことが多く、栄養療法でも治療に難渋することが多くあります。ただ根気良く取り組んでいただく場合には、とても高い確率で改善することも事実です。
オーソモレキュラー療法では、アトピー性皮膚炎は、単に皮膚に現れた何かの現象としてではなく、全身の代謝の問題が皮膚に症状として現れている、と捉えます。そして、通常の食事ができ、塗り薬を使わずに生活が出来るようになることを治療の目標とします。
4.このような方はオーソモレキュラー療法実践クリニックへ
- ステロイドを使わず治療をしたい方
- 根本的にアトピーを治したい方
- 皮膚をかきむしってしまうのでなんとかしたい方
- 副作用がない治療で体の中から改善したい方
- 免疫力を上げて再発を予防したい方
アトピー性皮膚炎の治療でこのようなお心当りがある方は、ぜひ一度、オーソモレキュラー療法実践クリニックにご相談ください。